大阪の中心部、ビルに囲まれた場所に木々が生い茂り、堂々と鎮座している神社があります。
約1100年の歴史がある、高津宮(こうづぐう)です。
■仁徳天皇を王神と仰ぐ神社
歴代天皇の中で、初めて大阪に本格的に宮廷を築いた仁徳天皇が主祭神です。
■絵馬堂
絵馬堂。江戸時代は展望の名所として茶店があったそうです。絵馬堂の向こう側は、土地が低くなっています。今はビルが建っていて見えませんが、昔は道頓堀界隈がよく見えたとか。
家々から立つ煙が少ないことを高台から見た仁徳天皇が、
「飯時にお米を炊くことができないほど、民衆の生活は苦しいのか」
と判断し、3年間、税の徴収を中止する徳政を行ったと言われています。(上に飾られている絵がその様子)
その徳政のフレーズを入れた大阪市歌が大正10年に制定されました。
境内の様子。
高津宮は古典落語「高津の富」の舞台にもなりました。その関係もあってか、定期的に落語の寄席が行われているそうです。
■仁徳庭園
本殿の裏には、本殿改修に合わせて2002年に完成した仁徳庭園があります。
■西坂(縁切り坂)
高津宮は地形的に高台にあるため、どこかの階段を登らなければ行き来できません。そのうちの一つ、現在は悪縁を立つといわれる西坂(縁切り坂)です。
■相合坂
こちらは縁結びの坂と言われる、相合坂です。南北2つの階段があり、男女それぞれ南側と北側から登り、ちょうど頂点のところで出会うと相性がよいと言われています。
■神輿庫
高津宮で唯一戦災を免れた、神輿庫。約250年前に建てられました。
大阪のまちなかに、このような落ち着いた歴史スポットがあると知ったのは、20代も半ばの歳でした。大阪に生まれ育ち、20年以上も住んでいたのに。。。
大阪、特に上町台地エリアを見直すきっかけとなった場所です。
■高津宮
http://www.kouzu.or.jp/index.html
[アクセス]
・大阪市バス 105系統 「瓦屋町二丁目」バス停より徒歩6分、
・大阪市営地下鉄谷町線・千日前線 「谷町九丁目」駅より徒歩6分
[関連サイト(参考文献)]
・ 高津宮 - 京都・大阪スポットガイド
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