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JR根室本線 富良野~新得間の廃止に沿線自治体が同意

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2016年8月の台風10号により甚大な被害を受け、以後一部の区間(東鹿越~新得)間は復旧せずバス代行を行っており、またJR北海道が廃止してバス転換の方針を打ち出していたJR根室本線 富良野~新得間について、沿線自治体(富良野市、南富良野町、占冠村、新得町)が廃止に同意したと発表がありました。

JR北海道がバス転換⽅針を⽰している根室線(富良野―新得)について28⽇、関連 する4市町村会議が開かれ、「JRが求める地元負担は難しい。鉄道存続を断念せざる を得ない」として、バス転換を容認することで合意した。

出典:『JR根室線富良野―新得間、廃線へ バス転換を容認 – 日本経済新聞』<https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC288UU0Y2A120C2000000/>-2022年1月29日閲覧

この区間は、2018年6月17日にJR北海道が廃止してバス転換する方針を打ち出していました。それから約3年半経って沿線自治体が廃止を受け入れることになりました。

根室本線 富良野~新得間とは?

JR根室本線とは、1921年に全線開通した滝川駅(滝川市)~根室駅(根室市)を結ぶJR北海道の鉄道路線で、札幌のある石狩地方~帯広のある十勝地方~道東を結んでいます。

ただし、札幌~帯広・釧路方面を結ぶ特急列車は1981年に開通した石狩地方と十勝地方をバイパスする石勝線を通ることになり、石勝線に特急ネットワークを取って代わられた西区間の滝川駅~新得駅(正確には上落合信号場)はローカル線になっています。今回の富良野~新得間もこのローカル線となった西区間に該当し、地域輸送をメインに担う路線となっています。

利用者が極めて少ない区間

▲JR北海道の輸送密度一覧(令和2年度)
出典:『令和2年度 お客様のご利用状況』< https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/jyoukyou/transition.pdf >-2022年1月30日閲覧

新型コロナウィルスの影響、東鹿越~新得がバス代行になっているといった要因もあると思いますが、2020年度の根室本線富良野~新得間の輸送密度は57 人/日 で、JR北海道の営業路線の中でもワーストの輸送密度となっています。つまり、JR北海道で最も利用者が少ないとされる区間です。2020年に廃止された札沼線 北海道医療大学~新十津川よりも輸送密度は小さいです

なお、2020年度のJR西日本で、同程度の輸送密度の区間は以下の通りです(100人/日 以下を挙げます)。1)

区間輸送密度
芸備線:備中神代~東城80人/日
芸備線:備後落合~備後庄原63人/日
大糸線:南小谷~糸魚川50人/日
木次線:出雲横田~備後落合18人/日
芸備線:東城~備後落合9人/日
平均通過人員(輸送密度)とは?
「運んだ人数×運んだ距離」で算出される数値で、営業キロ1km当たりの1日平均旅客輸送人員のこと。
計算式は『平均通過人員 = 旅客輸送人キロ ÷ 営業キロ ÷ 営業日数』。
輸送規模(断面交通量)の一つの指標として用いられるものであり、数字が大きいほど輸送量(利用者および貨物輸送量)が大きいものになる。

なお、JR四国内の路線で輸送密度 100人/日 以下 の区間はありません(2020年度)。2)

おわりに

▲2016年夏の被災まで帯広→旭川を結んでいた快速狩勝。路線が復旧せずに消滅することになる。

以前から何度も当ブログで取り上げてきたJR根室本線 富良野~新得間の件ですが、ついに沿線自治体が廃止に同意することになりました。

同じJR北海道でも、YouTuber鐡坊主さんで注目されていてピーク時に利用者が多いJR函館本線の余市~小樽間では、鉄道存続に向かって話が進んでいるようですが、今回のようにそもそも利用者が少なすぎる区間の鉄道存続はやはり難しいようですね。

これで、旭川~帯広を美瑛・富良野経由といった沿線観光地を結ぶ鉄道ネットワークの消滅が確実となったわけです。同区間には特急が運行されておらず、鉄道で旭川~帯広間といった都市間輸送を担えていたかどうかは不明です。2016年夏の災害以前でも旭川~帯広を結ぶ快速列車は1日たった1往復しかありませんでした。

一方、旭川~帯広間には都市間バス(ノースライナー号)が1日4往復運行されています。こちらは直通で、所要時間も鉄道とほぼ同じかそれよりも早いケースもあり、着席あり、鉄道と比べて安いということを考慮すれば、被災以前の状態でも旭川~帯広間を鉄道で移動する人はかなり少なかったのだと推測しています。3)

さらに、そのうち3往復は美瑛・富良野経由であり、旭川~帯広に限らず、美瑛・富良野~帯広の移動にも使うことができます。根室本線 富良野~新得間が廃止になっても、美瑛・富良野~帯広の移動の利便性はそこまで低下しないのかと思います。まぁ、私は以前、帯広→美瑛の移動に鉄道を利用したのですがね。

それに、広域鉄道ネットワークという視点で沿線自治体が多額の補助金を捻出して同区間を維持する意義は小さいわけなので、やむを得ないことですね。

一鉄道ファンとしては同区間の廃止は大変残念ではありますが、今後も富良野~新得間も含めて当該エリアの交通を見守っていきたいなと思っています。

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関連サイト

参考文献

1) JR西日本:『データで見るJR西日本 』pp.56~pp.58 <https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2021.pdf>-2022年1月30日閲覧
2)JR四国:『区間別平均通過人員(輸送密度)および旅客運輸収入(2020年度)』<https://www.jr-shikoku.co.jp/04_company/company/kukanheikin.pdf>-2022年1月30日閲覧
3)『[北海道] JR根室本線:富良野~新得が廃止になると、旭川・美瑛・富良野~十勝帯広間の鉄道ネットワークがなくなってしまうけど – 旅とまちなみとパインどうでしょう~』<https://tabimachipine.com/2365/>

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