売上が落ち続けているチェーン店のA飲食店があったとしよう。
ある日、売上を回復させるためにB店長がやってきた。その店長がやってきてから、じわじわと売上が伸びてきて、半年で売上が就任前の20%増になった。
これだけの話であればこの売上増は新しいB店長の手腕だ!すごい!という話になるかもしれない。
しかし、例えばこの飲食店の周りに、店長Bが就任した同時期に大規模な観光施設がオープンしていたとしたらどうだろうか。
この観光施設によって、A飲食店のみならず周辺の飲食店などのお店がどこも軒並み売上増になっていたとしたら、A飲食店の売上増は本当にB店長の手腕と言えるだろうか?
もし、観光施設オープンにより周辺のお店がどこも平均売上30%増になっていたとしたら、20%しか売上増になっていないA飲食店は、B店長の手腕が悪い、と言えるかもしれない。
観光施設が若い人向けの集客施設であって、その中てA飲食店が年配向けのお店であれば、A飲食店はなかなか頑張ってると言えるかもしれない。
もし、観光施設オープンにより周辺のお店がどこも平均売上10%増だとしたら、20%売上増のA飲食店は、B店長の手腕によるものが多いと言えるかもしれない。
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逆のパターンもあるかもしれない。例えば、B店長が就任してA飲食店の売上が前年の95%になったとしたらどうだろうか。
これだけだと、B店長ダメだということになるかもしれないが、近くにある集客施設が複数閉店してこのエリア一体のお店の売上が半分程度になっていたとしたらどうだろうか?A飲食店結構頑張ってる、ということになる。
だが、それがB店長の手腕によるものなのか昔ながらの固定客が多いからお客様がそこまで減らなかったのか、ということも判断しなければならない。
因果関係・根拠あります?
相関関係と因果関係の違いをわかってない人が多すぎる。データはあくまでデータ、数字でしかないんだけどな。数字に惑わされたら結局損するのは自分。
— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2015年5月21日
ここまでいろいろ書いたが、結局のところ、数字だけ追っかけても全て推測でしかないのである。つまり、結果の数字だけを並べてもA飲食店の売上増がB店長のおかげ、というロジックが成り立っていないからである。
こんな変なあほらしい話を作ってどうなんだと思われるかもしれないが、しかしながらこのようなロジックが成り立っていないのに、さもA飲食店の売上の変化はB店長の○○!、と書かれたものが、ネットに氾濫しているのも悲しいことに事実ではある。
A飲食店の売上増の理由を解明するにはどうすればよいだろうか?B店長の取り入れた施策により判断する必要があるだろう。
例えば、B店長が就任してからポイントカードを導入したとしよう。それにより売上増になった、だけでは因果関係はわからないが、ポイントカードを使う人のリピーターが増えたというなら、イチゲンさんの来客増えたことが要因でなくB店長の戦略が功を奏していると言えるかもしれない。
挨拶をしっかりするという、施策を取り入れたならば、お客様と店員さんが会話する機会が増えて、常連さんか来る機会か増えたというならば、これも戦略が当たっていると言えるかもしれない。
拙い施策ばかり書いてはしまったが、要はB店長が具体的にどのようなのことをして、それがどうA飲食店の売上に繋がっているかを解明しなければ因果関係なんてものはハッキリわからないということである。
しかし、このようなロジックをすっ飛ばして語っていることが、前述したようにネットには多いと感じる。
B店長に好意的な人がいれは、売上増はB店長のおかげ、と(ロジック不明で)言う人もいる。
B店長に反感を持っている人がいれは、売上増はB店長の業績ではなく、(ロジック不明で)たまたま環境が良かったと発言する人もいる。
人はどうしても感情に左右されてしまうものであるから、致し方ない部分もあるのだけれども、それが真実がどうかには結びつかない。
やはり相関関係と因果関係をごっちゃにしてる人が多いと思う。
“相関関係を因果関係であるかのように見せて人を騙そうとする人もいるので注意が必要”因果関係と相関関係の違い https://t.co/vg091WacUT @credo_mediaさんから
— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2017年3月21日
今さら人に聞けない「相関関係」と「因果関係」の違い https://t.co/HaZDRG6dWi
— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2017年7月15日
短い情報が好まれる傾向があるが
このあたりは、特に140文字しか書けないツイッターには辛い話、というか限界ではあると思う。
ツイッターでこのようなロジックが必要な話があれば、しっかりソースが語られているか、リンクがあるかなどを見なければならないだろう。
ソースまでちゃんと見ないと行けないのは大変だと思う方も多いと思う。
私も思うが確かに面倒くさいことだ。
しかし、正しい情報を得るには、これは避けられないのである。真理だ。
デマに近い情報が氾濫
因果関係があるかどうかという話だけではない、根拠のない話や誤った知識の情報も世の中に出回ってしまっている。
あ、そうなんだ。と思った話が数時間後にデマでした、 ということも最近本当に多い。
誰でも自分の考えていることは正しいと思っている。自分がいろんなところから得たいろんな情報を客観に判断して、正しい情報を得て判断していると思っている。
しかし、自分の得た情報が根拠がありどこまで正しいのかまで自ら疑える人も少ないだろう。人は自分の見たいようにしか世の中を見ることができない。どこまで自分が謙虚になれるのかが大事だ。
みんな、自分を疑うということができていますか?自分は関係ない、大丈夫だと思っているあなた、本当に本当に大丈夫ですか?
世の中、とにかく情報が氾濫してきた。あまり言葉は良くないが「ググれカス」から「ググったらカス」の世界になった。情報を得るのは簡単になったが、情報の取捨選択、真実を見極めるのが本当に難しくなってきたと思う。
▽あなたは何故、どういう基準で、その情報を信じるのですか? | Books&Apps
冷静になってみる
自分が「絶対」に正しいと思わないこと。Shinさんがおっしゃられる通り、「クリティカルシンキング」が必要なのである。
▽「クリティカルシンキング」の重要性と、身につけるための3つの口グセを紹介する | Outward Matrix
情報リテラシーが大切だな→「SNS」でお宝情報を手に入れる人、デマに踊らされる人 http://t.co/CmbyCML9oa
— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2014年11月30日
ネットの中に限らないことだけど、解釈だったり、根拠がなく推測である話を、事実かのように語ってる人が多く見受けられる。
そして、そのような解釈や推測を事実と混同して真に受けている人も多くてなんだかな〜、と思ってしまう。自分も偉そうには言えない話だけど。
情報リテラシーが試されてる。— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2017年5月15日
ツイッターなどで、誰でも自由に情報発信できるようになった結果、勘違いや間違い、デマなのにそれを信じて疑わず堂々と自論を述べたり批判している人がいて、イタい時がある。まぁ、自分もそれに当てはまってる時があるかもしれないので、自分も慎重にツイートしなければならない。
— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2017年3月12日
それは本当そう思います。テレビの情報、ネットの情報どちらも見て真実を、見極める必要がありますね。最近、テレビ・新聞はデマだらけだという意見もよく聞かれますが、逆にネットの情報は全て正しいと思い込んでる人がいるように感じていて、ネットも偏り・デマが多いのにな、と思うところです。
— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2017年7月25日
この記事を読んで思ったのは、会議に限らず「ツイッターでも事実と解釈をごっちゃにして、ツイートしたり議論ふっかけている人がいること」。あっ、この意見も解釈ですな。自分も偉そうには言えないけど、大切なのは、この意見が事実なのか解釈なのかを自分が判断できているか、だと思う。 https://t.co/dxO1CiNtP3
— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2017年4月7日
確かに『話の根拠が薄弱』と『権威に頼った物言い』の人は話浅いなぁと思ってしまいますね。自分も、そう思われないように気をつけねば。
「話が浅い」とはどういうことか。 https://t.co/cfheFT5PGa
— ぶるーばーど@パイン味のアメいかがですか (@pinenoame) 2017年2月15日
おわりに
私も情報を発信している身としては、心に刻まないと行けない話だ。
しっかり因果関係、根拠を調べて、ブログを書かなければ、と思うのである。
また、情報に惑わされないように、、、!と気を付けてはいるが、逆接的に情報に惑わされている人は自覚がないのだから、気をつけていても既に私は惑わされているかもしれない。
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