東京と比べると、私鉄などとの相互乗り入れが少ない大阪市営地下鉄(現・Osaka Metro)ですが、地下鉄堺筋線は1969年の開通当初から、阪急電車と相互乗り入れを行っています。
西成区の天下茶屋駅と北区の天神橋筋六丁目駅を結ぶ、地下鉄堺筋線。天神橋筋六丁目以北では、阪急電鉄に直通。淡路で分かれて、阪急千里線の北千里方面と阪急京都線の河原町・高槻市方面に直通しています。
ただし、北千里と高槻市方面へは終日直通運転していますが、それは各駅停車の普通のみ。
高槻市より先、京都・河原町方面へ直通している優等列車(準急)は、土曜・休日の日中と平日の朝のラッシュ時(河原町→堺筋線のみ)、夕方ラッシュ時(堺筋線→河原町のみ)だけです。
終日というわけではないですが大阪の日本橋(いわゆるミナミ)と京都の中心部河原町が一応結ばれています。ただし、準急は、高槻市より先河原町まで各駅停車となるので、大阪市内~京都市内を早く移動するには淡路駅などで特急などに乗り換える必要があります。
堺筋線のホームでは頻繁に阪急の車両を見ることができます。阪急への直通している優等列車ですが、2001年までは急行として、終点の河原町まで通過運転をしていて、乗換なしで速達性が確保されていたようです。阪急電鉄のターミナル・梅田重視のために方針変更したんでしょうか。
大阪市営地下鉄堺筋線と阪急千里線の境界駅である、天神橋筋六丁目駅。通称「天六(てんろく)」と呼ばれます。阪急電鉄の車掌さんは、今でも「次は天神橋筋六丁目、天六です」とアナウンスしています。
かつては地上にあった「天神橋駅」として京都へ向かうターミナル駅でした(梅田よりも)。1969年の堺筋線開通時に、天神橋駅は廃止になり、今の天神橋筋六丁目駅に生まれ変わりました。
天神橋駅については以下のブログが詳しいです。
▽さよなら天六阪急ビル – 十三のいま昔を歩こう
阪急へ直通する天神橋筋六丁目駅の2番線ホーム。かつて阪急と直通する優等列車は平日の朝夕ラッシュ時のみでしたが(臨時を除き)、2011年から土曜・休日の昼間にも準急が運行されることになりました。
ただし、先ほど述べた通り高槻市~河原町間は各駅停車なので、途中で特急に乗り換える必要があります。
おわりに
地下鉄堺筋線ですが、開業にあたっては南海電鉄と相互乗り入れを行う案もありました。しかし、阪急と南海では線路幅が違うため(阪急は標準軌、南海は狭軌)、どちらとも直通することは技術的に困難な部分が多く、大阪万博の輸送にも貢献するために最終的には阪急と直通することになりました。
歴史に「もし」はないですが、もし堺筋線が南海と直通していれば、天神橋筋六丁目駅や北浜駅のホームで関西空港行きや高野山行き、和歌山市行きを見ることができたのでしょうか。
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