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小樽~余市間 実はバスがたくさん運行している

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▲JR函館本線蘭島駅(2007年2月撮影)

現在、存廃議論になっているJR函館本線 余市~小樽間(長万部~余市間はほぼ廃止が確定しました)余市町もバス転換を容認したため、長万部~余市~小樽間の廃止がほぼ確定しました(2022年4月2日追記)。

JR線としてはこの区間は現在、1~2時間に1本程度列車が運行しており、昼間は90分ほど運行間隔が空く時間帯があります。小樽以東の小樽~札幌間は毎時4~5本で新千歳空港までの快速エアポートが朝ラッシュ以降毎時2本運行されているのと比べると、小樽~余市間は運行本数が少なくあまり利便性が高くない状態です。

ですが、この小樽~余市間、実は並行するバスの運行本数がものすごく多いんです

小樽駅から余市方面の時刻表比較

日曜・祝日の小樽駅から余市方面へ運行するJRとバスを比較してみました(北海道中央バスの「余市十字街バス停」とはJR余市駅から100m西にある余市駅前交差点にあるバス停なので、余市駅と同義とみなして良いです)。

JRはほぼ1~2時間に1本運行しているのに比べて、バスは1時間に2~6本運行しており、運行本数で比べると利便性は歴然としています

なお、赤字は高速バスで札幌市内から直通している便です。ほぼ1時間に1~2本運行しています。一方、JRで小樽以西の余市方面に直通している列車は、小樽駅18時42分発の快速ニセコライナーのみ1日1本で、札幌市内からの乗り換えなし利便性では鉄道よりバスの方が断然有利となっています

15年前に小樽駅~余市駅間にある蘭島駅を訪れたことがあります。この蘭島駅が、2005年に公開された映画「NANA」のロケで使用された駅1)だったので見に行きました。なお、映画内では「北港駅」として出てきました。

この蘭島駅を訪れた際に、行きはJRで小樽方面から訪れ、帰りはJR函館本線と並行するバスを使用して小樽方面に戻りました。駅から少し歩いた国道5号線にバス停があり、そこからバス乗りました。よく考えたら、当時それなりにバスの時間もちゃんと調べてて訪れたので小樽~余市間に結構バスが運行していることは把握してたと思うのですが、もうすっかり忘れていました。なんせ15年前ですからね。。。

バスは可視化されにくい?

実は今回のように、鉄道はあんまり運行本数が多くないのに、並行するバスがたくさん走っているケースって結構あるのです。

以前、「ルートマスター」さんが『路線バスは毎時2本、普通列車は1~数時間毎に運行されている区間』というバスマップをツイッターで公開されていました。

え?この区間、鉄道(電車)とても少なく不便なのにバスはこんなに走っているの???という例がいくつか紹介されていて驚きました。

▲阪神バス尼崎宝塚線。鉄道では直通がない阪神尼崎駅と阪急宝塚駅を直結していて、毎時3本も運行している。

地図を見ていると、高速道路や鉄道路線は地図に図示されています。また、鉄道の路線図もみなさんはどこでも街中やネットで見かけることは多いと思います。

一方、地図を見ていても鉄道路線図を見ていても、バスがどこを走っているかはわかりません。ここにバスが運行しているかは調べようと意思を持つことがなければ調べることはなく、調べようとしても調べる方法がとても難しいです(バス停名称がわからない、どこのバス会社なのかもわからない、など)。

ましてや、鉄道路線と並行しているか否か、運行本数が多い少ないなんていうのはじっくり正確に調べなければ把握することは困難です。

バス路線は存在していてもわかりにくい、可視化されにくい乗り物です。今回の小樽~余市間を調べてみて、そのことをあらためて実感しました。

最近は、乗換検索や地図のルート検索などでバス路線も出るような便利な世の中にはなりつつはあります。それでも鉄道とバスの認知度の差というのはとんでもなく大きいものです。

Maas(マース)が普及していけば、このような鉄道とバスの認知度・利便性の差というのは縮小していって、バスも使われるようになっていくでしょうかね。

Maasとは
MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるものです。

出典)『国土交通省日本版MaaSの推進』<https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/japanmaas/promotion/>-2022年3月24日閲覧

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参考文献

1)『JR 蘭島駅 – 小樽図鑑(樽タルビュー)』<http://otarumania.blog.fc2.com/blog-entry-143.html>-2022年3月24日

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