パリのテロ事件があったことも少し関係しますが、以前思っていたことを書きます。
2015年の初め、ちきりんさんが以下のブログ記事を書きました。
▽理想の社会なんて信じるのはやめましょう – Chikirinの日記
タイトルは、ものすごいというかごっつ極論。読んでいくと、なるほどなぁ～という内容です。ただ、あまりこの時点ちきりんさんの意見ははピンときてませんでした。
ただ、その3～4ヶ月後、このブログ記事を思い出す状態が発生します。いわゆる大阪都構想の是非を問う住民投票（大阪市特別区設置住民投票）です。
結果からもわかるように、投票者の賛成派・反対派はほぼ半々で二分しました（あくまで投票者の動向であり、有権者が賛成・反対がフィフティーフィフティーになったわけではありません。投票率66%なので）。
特に、ネット内（ツイッター）では投票前、賛成派と反対派の激論が交わされました。ただ、この内容が実はものすごくひどいものばかり、というもので、「◯◯は詐欺師」とか「◯◯派は気持ち悪い」とか、理論的に賛成・反対を表明するのではなく、感情的でまったく建設的でない意見が多かったのが特徴です。
また、嘘かホントかわからない話もいろいろ飛び出しました。怪しい電話がかかってきたとか、感情を逆なでするビラが配られたとか。結局これらってどうだったんですかねぇ、真偽が不明。誰か知っている人教えてください。
住民投票で、大阪都構想が否決されると、ネット上では「大阪市民はアホ」だとか、「大阪はもうダメ」とかいう意見がよく見られました。
最近は「◯◯が読めなさそうなな地名」として、道修町（どしょうまち）だとか立売堀（いたちぼり）を挙げるなど、もうわけわからない誹謗中傷がネットで見られます。
これらを見ていると、賛成派・反対派それぞれ「理想の社会」の実現に向かって、いろいろ意見を持たれているんですが、ネットに書かれる言葉が、もうむちゃくちゃなんですね。
◯◯派の人は、こんなこと思ってるの？？と。なんか、うんざり、というか怖い。こんなに攻撃的なの？言葉の暴力をふるうの？？
■ちきりんさんの言いたかったことは？
ちきりんさんのブログに戻ります。
ちきりんさんのブログタイトルのような「理想の社会」を信じることをやめよう！というのは確かに極論ではありますが、大阪都構想に対する意見として◯◯派がこんなこと言う社会が理想なの？？と思ったところでした。
私が思うに、ちきりんさんが一番言いたいことはこれだと思います。
””理想の社会はマル！ それ以外の社会は全部ペケ！
このタイプの発想は、間違ってるとか役に立たないという以上に、とっても怖いんだということを理解しましょう。””
””でも、だからといって「そんな問題が一切存在しない理想の社会」なんて信じちゃイケないんです。だって・・
そんなモノは存在しないのだから。
そんなモノを信じたら、「どんな手段を使ってでも実現すべきだ」って話につながっちゃうんだから。””
ちきりんさんが本当に言いたかった「やめましょう」は、「理想」しか絶対ダメ！ゼッタイ妥協しない！ってところだと思います(たぶん）。
どこへ向かうにも妥協が必要なんだということだと思います。良い社会を作るにも、どこかで妥協しないといけないところがあると思います。
よく、妥協は良くない！妥協なんてすると中途半端！妥協すると結局世の中が変えることができない！などといった極論主義が出てきますが、これが結局のちきりんさんが言う「理想の社会なんて信じるのはやめましょう」ということなんだと思います。
◯◯派と◯◯派の意見がぶつかった場合、そりゃどちらも自分の主義・主張を訴えると思いますが、いやいや待ってください。そりゃ、自分の反対側の意見を持っている人も、人間ですよ。ちゃんと意見・主張を持ってるんですよ。相手も合理的な人間です。
”「面白かったでしょう。相手は敵ではなく、「合理的な人間」なのです。それを忘れなければ、対話の道は残されています。」
私は、それ以来「相手を打ち負かそうとすること」を辞めたのだ。「正しさ」は一旦脇に置こう。”
by なぜ、あなたは正しいのに皆に聞いてもらえない？ – Books&Apps
自分の意見が通らなければ、他者は排除する！自分だけが正しい！「理想の社会」を理想と思わない人はダメだ！
そんなことを言う人／行動する人ばかりになる「理想の社会」はゴメンです。
自分と反対の意見を全く受け付けない人、自分と反対の主義・主張をする人を誹謗中傷する人、そのような人が支持する・理想とする社会もゴメンです。
あなたの理想の社会は、どんな社会ですか？
