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名古屋高速都心環状線は当初、両回りの高架2層式で計画されていた

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日本の都市高速道路は、以下の6つです。

  • 首都高速道路(東京・さいたま・川崎・横浜)
  • 名古屋高速道路
  • 阪神高速道路(大阪・神戸・堺)
  • 広島高速道路
  • 北九州高速道路
  • 福岡高速道路

環状線のある都市高速は?

この6つの都市高速の中で、規模が大きく環状線を有する都市高速は4つです。

  • 首都高速道路(都心環状線・中央環状線)
  • 名古屋高速道路(都心環状線)
  • 阪神高速道路(環状線)
  • 福岡高速道路(環状線)

その中で、環状線が両方向通行なのは、

  • 首都高速道路 都心環状線、中央環状線
  • 福岡高速道路 環状線

環状線が一方通行(右回り)なのは、

  • 名古屋高速道路 都心環状線
  • 阪神高速道路 環状線

この2つのグループに分かれます。

環状線は一方通行よりも両方向の方が便利なように思えますが、実際首都高速と福岡高速の環状線は規模が大きく、名古屋高速と阪神高速の環状線は規模が比較的小さいです。そのため、一方通行の名古屋高速と阪神高速は一方通行であってもそこまで不便というわけではありません。

ただ、阪神高速については一部ジャンクションが未完成なところがあります。西船場ジャンクションは、湾岸・神戸方面から土佐堀・堂島方面への渡り線がいまだに未完成です。ここが未完成のため、 湾岸・神戸方面から土佐堀・堂島方面への通行は、環状線を半周する必要があり不便を強いられています。

阪神高速ジャンクション展にて撮影

この渡り線は、現在工事中であり、 1974年の大阪港線開通以来の45~46年越しの開通として、2019年度完成予定となっています。

工事中の西船場JCT 信濃橋渡り線

名古屋高速の都心環状線の当初計画

閑話休題。阪神高速の環状線と同様に、右回り一方通行となっている名古屋高速都心環状線。しかし、当初は両回りでしかも高架2層式で計画されていました。

道路整備特別措置法に基づく整備計画は、当初、延長57.9キロ、事業期間昭和45年度から54年度までの10年計画でスタートした。この時点では、都心部のループを高架2層式(高速分岐1号および高速分岐2号は高架1層式)としていた(路線名は道路法に基づく名称にて表示、以下同じ)。

その後、都心部のループ一方通行方式(右回り)の採用による高速分岐1号の廃止や構造変更など計画の見直し、・・・(以下省略)

出典:名古屋高速道路の計画と現状、土木技術65巻11号(2011,11)、P.17

ここでいう高速分岐1号及び高速分岐2号は以下の図より。

出典:第2章 名古屋高速道路に係る計画等と整備効果-名古屋高速ホームページ<http://www.nagoya-expressway.or.jp/kosya/pdf/05.pdf>

今の明道町JCTと東片端JCTに相当する箇所です。つまり、都心環状線は2層式で考えられていたけど、この区間だけは左回り(内回り)と右回り(外回り)が1層式で別のところを通ることになっていたということですね。

なぜ両方向2層式→一方通行1層式となったのか

Wikipediaによると、環境保全のためといった理由や都心環状線が2層式だとジャンクションの建設難度が高いことも理由となり、一方通行1層式となったそうです。

【関連記事】
名古屋高速都心環状線Wikipedia

一方通行1層式となることで、環境に配慮された高速道路になりました。

都心ループ一方通行方式の採用により、都心 IC の構造が簡略化され、都市景観との調和等都市環境の改善が図られることとなった

出典:第2章 名古屋高速道路に係る計画等と整備効果-名古屋高速ホームページ<http://www.nagoya-expressway.or.jp/kosya/pdf/05.pdf P.20

確かに、2層式が接続するジャンクションだと、新洲崎JCTや丸田町JCTがものすごく複雑な構造になり、ジャンクション下の交差点周辺の環境も今と大きく変わっていたかもしれません。ジャンクションファンにはたまらないジャンクションになっていたかもしれませんが。

なお、『第2章 名古屋高速道路に係る計画等と整備効果』(名古屋高速ホームページ)には、愛知県土木部都市高速道路調査室資料(昭和45年3月)を引用した都市高速道路計画図がある。 この図を見る限り、都心環状線が両方向2層式になっていても、新洲崎JCTや丸田町JCTは現在と同じ、フルのジャンクションにはなっていなかったようである。

おわりに

そういえば、同じ一方通行1層式である阪神高速1号環状線は、両方向通行の構想はあったのだろうか。時間があれば調べてみたいが、そんな時間はないであろう。

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