阪神なんば線の伝法駅~福駅間にある、淀川(新淀川)に架かる『淀川橋梁』が架け替えられることになりました。2017年1月11日、国土交通省近畿地方整備局、大阪府、大阪市、阪神電鉄が2017年1月11日に会合で方針を確認しました。
▽阪神なんば線「淀川橋梁」架け替えへ 「水面すれすれ」堤防高さ足りず線路かさ上げ(1/2) | 乗りものニュース
▽<淀川橋梁>消える「水面すれすれ橋」 架け替え決定 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース
この阪神なんば線「淀川橋梁」、あまり知られていないかもしれませんが、淀川の下流部では最も低い橋であり、水面ギリギリを走ります。
■堤防に切欠き
あまりにも低いところを電車が走るため、淀川の堤防を線路が切欠いています。
上図の赤いラインが堤防上必要な高さ。これより、線路の位置が低いです。このため、高潮などで水位が高くなり、堤防上必要な高さを維持しないといけない場合は、防潮堤を閉めることになり、列車の運行ができなくなります。
なお、同じように高潮時に防潮堤を閉めることは、近くの道路橋でも行われています。
[過去記事]
▼国道2号淀川大橋防潮扉(淀川陸閘)閉鎖訓練 2014.07.06
■防災上の問題
また、問題は高潮時に列車が不通になるだけはありません。防災上の問題もあります。
”洪水時には流れが滞る危険性があり、津波発生時の弱さも指摘されてきた。”
via: <淀川橋梁>消える「水面すれすれ橋」 架け替え決定 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース
”防潮扉が閉鎖できず高潮が乗り越えて堤防が壊れると、浸水域がJR大阪駅まで広がる可能性がある。河川整備上で想定している洪水時に橋が上流からの水をせき止め、堤防が壊れると約3300ヘクタールが浸水し、被害総額は約7兆9300億円。”
via: <淀川橋梁>消える「水面すれすれ橋」 架け替え決定 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース
”橋につながる両側の線路は耐震対策が完了しておらず、南海トラフ巨大地震のような地震発生時には地盤沈下し、橋にぶつかった津波が堤防を越えてくる可能性もあるという。”
via: <淀川橋梁>消える「水面すれすれ橋」 架け替え決定 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース
これらも問題を抱えていたことから、淀川橋梁は架け替えることになりました。架け替え自体は、2000年度に既に事業化が決まっていましたが、沿線が住宅密集地であるため、なかなか協議などが進んでいなかったようです。
なお、架け替え工事中においても、阪神なんば線は運行されます。新しい橋は、3m高いものとなるそうです。
■福駅高架化へ
淀川右岸側の福駅は現在地上に駅がありますが、淀川橋梁架け替えに伴い高架化されます。
このあたりの風景は一変することでしょう。ちなみに、左岸側の伝法駅は既に高架駅となっていますが、伝法駅についても今より高い位置に移動します。
■あの映画の風景に似てる?
この水面スレスレに走る電車。あの有名なアニメ映画の1シーンに似ていると言っている人がいるというのを聞いたことがあります。千と千尋の神隠しのストーリー後半、千尋たちが乗る「海原電鉄」です。
言われてみると、ほんとスレスレですよね。
ただ、ネットを調べてみると、千と千尋の神隠しに出てくるこの水面スレスレ走る電車「海原電鉄」は、これがモデルではないかと言われている記事が出てきました。
▽水上を走る電車が実在した!千と千尋の神隠しのモデルと言われる鉄道 | 鉄道・路線バスマニアでジブリ好きのブログ
詳細は、上のリンク記事を読んでいただきたいので省略しますが、むっちゃくちゃスレスレです。これにはかなわない、、、、といいますが、この話は知りませんでした。勉強になった。
ただ、今のうちですが、いつも水面スレスレ電車を見ることができるのは、この阪神なんば線「淀川橋梁」だけです。
着工から完成まで約15年かかるそうなので、かなりスパンの長い大規模事業です。
それにしても、阪神電車の線路を近鉄電車が走る光景、最初はオオ―、と思ったんですが、だいぶ見慣れましたね。
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