旭川~帯広を結ぶ都市間バス「ノースライナー」は、2024年4月1日にダイヤ改正を行い、現在4往復を6往復に増便することが発表されました。
増便の概要
「ノースライナー」は北海道拓殖バス、道北バス、十勝バスの3社が共同運行する旭川~帯広を結ぶ都市間バスです。1989年に運行を開始しました。1)
2024年3月現在、旭川と帯広を結ぶ都市間バスは、狩勝峠経由が3往復、三国峠経由が1往復運行しています。このうち狩勝峠経由は、2024年3月末で廃止になる根室本線の一部区間と並行するルートになっています。
4月のダイヤ改正にて、狩勝峠経由の便が3往復から5往復に増便され、三国峠経由の1往復を加えて、旭川~帯広を結ぶ都市間バスが計6往復となります。
今回のダイヤ改正に合わせて、バス停の新設と現行バス停の移設が行われます。
バス停の新設については、現・根室本線 落合駅そばの国道38号線上に「落合」バス停が新設されます。
バス停の移設については、現在、国道237号上にある「美瑛」バス停が、JR富良野線の美瑛駅前に移設され、JRとの乗換や青い池・白金温泉方面との乗換の利便性向上となります。1)
ノースライナーの注意点
なお、「ノースライナー」は乗車できるバス停と降車できるバス停が限られたクローズドドアシステムを採用しているので注意が必要です。
例えば、2024年4月1日以降だと旭川駅前からバスに乗った場合、途中の「美瑛駅」バス停や「富良野駅」バス停、「山部」バス停で降りることができません。一方で、「道の駅南ふらの(幾寅)」バス停を含めて以降帯広側にあるバス停、「落合」バス停、「新得駅前」バス停などでは降りることができる、といった感じです。ノースライナーを利用される場合は注意が必要です。
根室本線 富良野~新得間の廃止後の代替交通に
2024年3月31日の運行をもって廃止になるJR根室本線 富良野~新得間。2016年の水害を受けて東鹿越~新得間が現在も不通のまま代行バスが走っている状態ですが、3月31日の運行をもって、旭川・美瑛・富良野方面と帯広方面を最短距離で結ぶ鉄道交通が消滅してしまいます。
ノースライナーの増便は、不便になってしまう旭川・美瑛・富良野方面~帯広方面を補うものとなります。
2016年の水害が発生するまで、旭川~帯広の間には本数は少ないですが直通する列車が運行していました(快速狩勝など)。
なお、根室本線 富良野~新得廃止に伴い新たに整備される交通は、ノースライナーの増便対応以外では、以下のバスが新しく開設されます。
- 富良野~布部~山部~幾寅 を結ぶふらのバス
- 富良野~布部~山部~下金山~金山 を結ぶ南富良野町営バス
- 東鹿越~幾寅~落合~トマム駅 を結ぶ南富良野町営バス
- 幾寅~落合 を結ぶ南富良野町デマンドバス
- 下金山~金山~東鹿越~幾寅~北落合 を結ぶ南富良野町デマンドバス
おわりに
旭川~帯広を結ぶ直通列車は2016年の災害後、復活しないまま廃止になってしまうという残念な状況ですが、ノースライナーの増便により、上川エリアと十勝エリア間の移動の利便性が向上するよう願っております。
参考文献
1)『帯広旭川線『ノースライナー』令和6年4月1日(月)ダイヤ改正』、令和6年1月31日、道北バス株式会社 十勝バス株式会社 北海道拓殖バス株式会社<https://www.takubus.com/%E9%83%BD%E5%B8%82%E9%96%93%E9%AB%98%E9%80%9F%E3%83%90%E3%82%B9/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC/>-2024年3月9日閲覧