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[北海道] JR根室本線 東鹿越~新得 復旧費用が膨大な10億5000万円に。ただし、国道274号線の復旧に比べれば、わずか4%~5%

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▲根室本線被災による不通まで運行されていた、帯広発旭川行の快速狩勝(2012年9月撮影)

7月12日、昨年(2016年)の8月の台風10号の集中豪雨により不通となった、根室本線東鹿越駅~新得駅(厳密には上落合信号場)の被災状況が明らかになり、復旧費用が算定されました。

“JR北海道ではこれらの復旧に、総額で10億5000万円程度の工事費を見込んでおり、期間は1年以上を要するという。復旧には国などの災害復旧事業費補助の枠組を使うことになるが、その場合は、「持続的に路線を維持していくこと」が前提になると見ている。”

 

via:復旧費は総額10億5000万円—JR北海道が根室本線の被災状況を発表 | レスポンス(Response.jp)

主な自然災害による鉄道の復旧費用は?

詳細についてはわからないものの、復旧費用は膨大な10億5000万円とやはり甚大な被害を被ったようです。今年(2017年)7月に九州北部豪雨によって久大本線が被災するなど、豪雨による鉄道等の被災が年々増えているように感じます(管理人感)。

なお、そもそも根室本線富良野~新得は、JR北海道は廃止の方針を打ち出していた中でのこの被害となったため、復旧せずに廃止になることが濃厚となっています。(⇒過去記事「北の国から」の始まりの駅「布部駅」消滅? JR根室本線富良野~新得廃止が濃厚」)

ちなみに根室本線の復旧費用がどれぐらいの規模なのかを、他の自然災害による長期不通区間の復旧費用と比べてみました。

・JR山田線 宮古~釜石(岩手県):210億円 ⇒ 2011年東日本大震災より甚大な被害。2019年3月に運転再開予定で、復旧後は三陸鉄道に移管(JR山田線、「震災4年で復旧工事」の舞台裏 | ローカル線・公共交通 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準より
・高千穂鉄道(宮崎県):100億円以下 ⇒ 2015年台風14号により被災。膨大な復旧費用により普及を断念しそのまま廃止高千穂鉄道復旧費の見積が出る。 – Simplex’s Memoより)
・JR日高本線 鵡川~様似(北海道):86億円 ⇒ 2015年の高波・台風17号や2016年の豪雨・台風により被災日高本線、復旧に86億円 高波と台風で2015年から一部区間が不通に JR北海道 | 乗りものニュースより)
・JR只見線 会津川口~只見(福島県):81億円 ⇒ 2011年の新潟・福島豪雨で被災で6年以上不通(<只見線>「上下分離で復旧」決定 | 河北新報オンラインニュース<https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170328_61023.html>リンク切れより)
・南阿蘇鉄道 立野~中松(熊本県):65億~70億円 ⇒ 2016年熊本地震によりトンネルゆがみなど南阿蘇鉄道、全線復旧に少なくとも5年 橋架け替えやトンネル短縮も | 乗りものニュースより)
・JR豊肥本線 肥後大津~立野(熊本県):48億円 ⇒ 2016年熊本地震により橋梁損傷・斜面崩壊豊肥線の復旧、4月に着手 JR九州  :日本経済新聞より)
・JR三江線(島根県):2度の復旧合わせて26億円 ⇒ 2006年と2013年の2度大規模災害により不通となり復旧。しかし2018年に廃止予定地元「残して」声届かず 廃止決まったJR西・三江線の実情は – しらべぇ | 気になるアレを大調査ニュース!より)
・JR土讃線 土佐山田~高知(高知県):15億円~20億円 ⇒ 1998年の台風7号・高知大水害の豪雨による盛土崩壊で不通となっていた。年末に開通(速報 県都水没 1998(平成10)年9月28日<http://ns.tosasearch.com/rensai99/suigai28.htm>リンク切れ より)

これだけ見ると、根室本線の復旧費用 約10.5億円って大した額ではないのでは?と思っています。しかしながら、金額に関係なく、復旧させる路線の価値・意義も当然、重要になってきますからね。

同じく被害のあった国道274号の復旧費用は200億円~300億円

▲日勝峠(2012年11月撮影)

根室本線と同じく2016年8月の台風被害により被災した根室本線とエリア的に並行する国道274号日勝峠。復旧費用は200億円~300億円であり、今年(2017年)秋に復旧するようです。

国道274号日勝峠の復旧費用に比べれば、根室本線東鹿越~新得の復旧はたった4~5%。国道の復旧費用を少しでもJR根室本線に回せば、JR根室本線は簡単に復旧するのでは??と思ってしまいます。

しかし、

・税金で維持することが前提の国道とあくまで鉄道事業者による維持が前提の鉄道
・復旧しても赤字を出し続ける鉄道
・乗用車・バス・トラックに便益がある国道と貨物も走らない利用者も少ない鉄道

という前提があるので、道路の復旧と鉄道の復旧は意味が違う、ということなのでしょう。赤字ローカル線復旧のコストパフォーマンスと国道復旧のコストパフォーマンスの比較が、まわりまわって経済原理に働いているんでしょう。

これが新幹線の復旧とかだったら、全然違うんでしょうけどね。

おわりに

▲2012年7月の根室本線(富良野~新得間)布部駅の時刻表

観光の観点から、この区間の廃止は惜しいと思うんですけどね、、、、でもいろいろな専門家の方が、どうするべきか真剣に考えておられると思うので、軽い気持ちで廃止ダメ!とは言えないのです(いや、軽い気持ちではないですけど)。

廃止が嫌なら、あんたが復旧費用と復旧後の赤字額の補てんを出してね(ハート)、と言われてしまうかもですが。

まぁ、本気で復旧させるのなら、ただ復旧させるのではなく、この区間の利用者を激増させる何か施策が必要だと思います。

・復旧に合わせて高速化
・旭川~美瑛~富良野~十勝を結ぶ特急の運行
・観光列車を走らせる
・一部の駅を廃止して維持費用削減と時間短縮

これぐらいしか思いつきません。これぐらいなら、誰でも考えるでしょうけどねぇ。

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