たまたまですが、山岳トンネルに詳しくなれる(?)面白いYoutubeの動画を見つけました。
新潟県にある鍋立山(なべたちやま)トンネルという全長9kmのトンネル工事の解説動画です。鍋立山トンネル、あまりなじみのないトンネルだと思いますが、実はとてつもなく難工事だったのです。その難工事ぶりをわかりやすく、楽しく、かつ詳細に楽しく紹介しているのが「にっこーけん(日本の交通を研究する会)」さんの『鍋立山トンネル』シリーズです(全3回)。
動画
鍋立山トンネルとは
鍋立山(なべたちやま)トンネルとは、新潟県にある第三セクター鉄道 北越急行ほくほく線のトンネルです。「まつだい駅」と「ほくほく大島駅」との間にあります。
北越急行ほくほく線とは、六日町駅(新潟県南魚沼市)~犀潟駅(同県上越市)を結ぶ鉄道路線です。2014年の北陸新幹線長野~金沢間が開通するまで、上越新幹線の越後湯沢駅(新潟県湯沢町)と金沢駅(石川県金沢市)を結ぶ特急電車が運行され、首都圏と北陸を結ぶ鉄道交通のメインルートとして機能していました。
前述の北陸新幹線長野~金沢開通後は、ほくほく線は新潟県上越地方と中越地方のローカル輸送がメインの鉄道路線となっています。温かそうな名前ですね。
この鍋立山トンネルは世界的な難工事となっています。その難工事っぷりは解説動画を見て欲しいのですが、
- 全長9116.5mのうち、たった645m(約7%)の区間にトンネルの総工事費の約半分が使われている。
- 全長約54kmの青函トンネルは工期(工事開始から開通までの期間)が25年であるのに比べて、鍋立山トンネルは全長約9kmしかないにもかかわらず完成までに22年も時間を要している(ただし諸事情により4年間は工事が中断している)
- 最初の約10年で8472m掘っているのですが、残りの645mを掘るのに約9年間も時間を費やしている
この645mの区間がクライマックスです。ぜひ、動画でその詳細を楽しんでほしいと思います。
おススメポイント
- 初心者にもとっつきやすい解説
- 物語風
- ワードチョイスが最高(個人の感想です)
- 早口なのでサクサクっと見ることができる
- 字幕付き
1.初心者にもとっつきやすい解説
土木工事、トンネル工事に詳しくない人にも寄り沿った解説動画となっています。「私たちからすればちょっと想像しがたいですよね」という説明が入っているように、詳しくない想像しがたい事象でも視聴者に寄り添った解説なのがとても易しいです。
「わかりやすければ多少間違っててもいい」、というのではなくしっかり専門用語を解説も踏まえつつ丁寧にわかりやすく説明している(と私は思っている)ので、とても勉強になる動画となっています。
2.物語風
トンネル工事の施工会社 VS 世界最狂の鍋立山トンネル、といったスタンスの動画となっています。ただの工事の解説動画、ってわけではないのです。現場の苦労といいいますか工夫といいますが、それが物凄く伝わってくるものになっています。
なお、この鍋立山トンネルは大きく3つの工区にわかれていまして、もっとも大変だった工区を担当したのは西松建設さんです。西松建設さん、凄い頑張ってトンネルを掘削されたんだな、、、というのがひしひし感じました。
3.ワードチョイスが最高(個人の感想です)
- 「人間にとって最も苦痛なことは、努力したことが台無しになることです。」
- 「修羅の続きをやることにしたのです。」
- 「そして三度の正月、三度のサクラ、四度のセミの季節を乗り越え」
ほんの一例ですがこれだけ見ると、土木工事・トンネル工事の解説動画に出てくるワードには思えないと思いますが、解説動画に出てきます。それほど、いろいろ工夫したワードを使ってトンネル工事を解説しており、面白いです(ちょっと毒舌風な解説動画ですが・・・)。この動画も含めて「日本の交通を研究する会【車載】」さんの動画は、ワードチョイスが絶妙であり、クセになってしまいます。
4.早口なのでサクサクっと見ることができる
動画は3回分あり、1つの動画は7~10分程度、全て合わせると25分程度の動画です。長いように思いますが、あっという間に終わってしまう感じです。解説が早口なのでサクッとストレスフリーで見ることができます。
早口すぎて、説明の理解がついていけない箇所が最初出てくるとは思いますが、それは動画なので巻き戻してみれば問題ありません。
5.字幕付き
音声聞かなくても楽しめます。音を出せない状況下でも十分楽しめます。
おわりに
なんでわざわざこの動画を紹介したと言いますと、
- 鍋立山トンネルという、難工事のトンネルを全く知らなかったのだけれども、ものすごく頭に入ってきて分かりやすく、目から鱗が落ちた。
- Youtubeの動画で、こんな面白くて勉強になる動画は初めて。今まで私が見たYoutube動画で歴代1位のYoutube動画であった。
この2点です。
トンネルや地質について勉強してみたくなったぞ!
なお、内容と全く関係ないのですが、地図や説明の絵の部分を除いて、車載動画(走っている自動車のフロントから見える景色をずっと撮影した動画)を眺めながら解説を聞く動画となっていまして、なんかイイ感じです(私だけか?)。
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