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[阿佐海岸鉄道] DMV開業まで阿波海南~海部間は運賃無料

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2020年度内に世界初のDMV営業運行を目指している1)阿佐海岸鉄道。11月1日から、それまでJR四国が牟岐線として営業していた阿波海南駅~海部駅間が阿佐海岸鉄道阿佐東線に移管されました。しかし、この移管された阿波海南~海部間、珍しいことにDMVが開業するまで運賃が無料になるとのことです。

きっぷはありません

出典:『阿佐東線に関するお知らせです! | 阿佐海岸鉄道』<http://asatetu.com/archives/2806>-2020年11月7日閲覧

上記が阿佐海岸鉄道のHPに記載されている資料なのですが、2 乗車券(運賃)の取り扱い の箇所において、”阿波海南駅⇔海部駅は、DMV運行開始までの間、無料で、ご利用いただけます。(きっぷはありません)”と記述があります。きっぷはありません、と書かれているのです。

出典:『JR時刻表 2020年11月号、(株)交通新聞社』

このように、時刻表には阿佐海岸鉄道の阿波海南~海部間の箇所に0円と書かれています。なかなか珍しい事例なのではないでしょうか。

無料で乗れるのは鉄道ではなく代行バス

ただ、1点、注意事項があります(いや注意事項ではないのだけれど)。確かに阿波海南~海部間は運賃無料なのでタダで利用できますが、鉄道に乗れるわけではありません。代行バスに無料で乗れるということです。再度、阿佐海岸鉄道のホームページを見てみましょう。

出典:『阿佐東線に関するお知らせです! | 阿佐海岸鉄道』<http://asatetu.com/archives/2806>-2020年11月7日閲覧

このように11月7日現在、阿佐海岸鉄道の阿波海南駅~海部駅間には鉄道は運行しておらず、JR代行バスが運行しています。

阿佐海岸鉄道の営業区間にJR代行バスが運行?

▲JR代行バス

ここで、阿佐海岸鉄道なのになぜJRの代行バス?と思われる方もいるかもしれません。これは複雑な事情があります。

DMV開業に伴う工事のため、2020年7月18日からJR牟岐線 牟岐~海部間は運休し、JR代行バスが運行するようになりました。その後、2020年10月31日をもってJR四国は牟岐線の阿波海南~海部間(末端の1駅区間)のみを廃止し、11月1日から阿波海南~海部間は阿佐海岸鉄道が運営することになりました。しかし、JR代行バスは11月1日以降も変わらず牟岐~阿波海南~海部間を運行し続けます。なので、運営上は阿佐海岸鉄道なのにJRの代行バスが運行しているという、珍しい状態になっているのです。

なお、DMVの工事のため、2020年12月1日から阿佐海岸鉄道の海部~甲浦間も鉄道は運休することになります。その際、阿佐海岸鉄道も代行バスが運行されますが、12月1日からはJR代行バスは牟岐~阿波海南までの運行に短縮し、阿佐海岸鉄道が阿波海南~海部~甲浦間を運行することになります。つまり12月1日からは運営上の区間と代行バスの運営主体が一致することになります。

時刻表を見ると、JR代行バスが阿佐海岸鉄道の区間に直通運転するような標記となっています。これは2020年11月末までの措置なので、2020年11月号の時刻表にだけに見られる状態になることでしょう。

前述のとおり、2020年12月からは阿波海南~海部間は阿佐海岸鉄道の代行バスとなるため、DMV開業まで同区間は阿佐海岸鉄道代行バスとして無料で乗車できるようになります。

参考文献

1)『DMV(デュアル・モード・ビークル)とは? | 阿佐海岸鉄道』<http://asatetu.com/archives/1979>-2020年11月7日閲覧

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