大阪難波駅と尼崎駅を結ぶ阪神なんば線では、高潮・地震・津波に対する防災上の観点から新淀川を渡る淀川橋梁の架け替え工事が進んでいます。
架け替え工事が行われている淀川橋梁と、淀川橋梁の北側にある地上の福駅の高架の駅にする工事(高架化工事)の様子を見に行ってきました。
淀川橋梁
伝法駅側(淀川南岸)から見た工事の様子です。現在の阪神なんば線の西側(海側)に新しい橋梁の設置工事が進んでいます。
橋脚が一部完成しています。淀川内には、現在の橋梁の橋脚が39本あるそうですが、新しい橋脚は10本まで減るそうです。
橋脚の数が減るとともに橋桁の高さが上がることで、洪水時でも川の水が流れやすくなり、堤防の決壊を防ぐことができるとのです。1)
工事用の船の上に大きなクレーン車がたくさん載っています。鋼管矢板井筒とよばれる基礎の工事が行われています。2)
青色の桁みたいなものが置いてありました。新しい橋梁の橋桁?それとも工事のために行き来するための仮の橋?
淀川北岸(福駅側)
淀川の堤防を越えた地上部(堤内地)に丸い大きなものを建設していました。
新しい淀川橋梁の橋桁(トラス桁)を受ける橋脚のようです。かなり、大きそうす。
淀川河川事務所のホームページ2)によると、ニューマチックケーソンと呼ばれる巨大な基礎です。
ニューマチックケーソン工法(Pneumatic caisson method)の「Pneumatic」は「空気の」という意味で、「caisson」は「函(はこ)」を意味します。
出典)『概要・原理・沈下理論 | 日本圧気技術協会』<http://www.pneumatic.gr.jp/pneumaticmethod/summary/>-2023年2月24日閲覧
函(躯体)の最下部に作業室と称する密閉された部屋に高圧の空気を送り、地下水の浸入を防ぎ地上と同じような状態で掘削を行い函(躯体)を沈設する工法です。
橋梁や建物の基礎、あるいはシールドトンネルの立坑、下水ポンプ場、地下調整池、地下鉄や道路トンネルなど幅広く活用されています。
福駅
前回(2022年12月)、取り壊し中だった昔の大阪難波方面のホームは跡形もなくなっていました。
代わりに、地面を掘った時に土が崩れてくるのほ防ぐ壁(土留め壁)として鋼矢板(シートパイル)が設置されていました。次にこの位置に尼崎方面の線路とホームが移設されるので、その準備工事と推測します。
出来島・尼崎方面の様子です。
出来島・尼崎方面の改札口です。この風景ももう少しで見納めでしょうか。
参考文献
1)国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所:阪神なんば線淀川橋梁改築事業について、令和2年3月<https://www.kkr.mlit.go.jp/yodogawa/activity/comit/bd083b0000002owc-att/nambaline-yodobridge_2007.PDF>–2023年2月24日閲覧
2)国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所:これまでの工事の様子 令和5年1月末時点<https://www.kkr.mlit.go.jp/yodogawa/activity/comit/bd083b00000031ki-att/progress202301.pdf>-2023年2月24日閲覧